「タマタマ授与式」
Tamatama Award Ceremony
何日もこの神社に通っていたのは、痩せ痩せのみっともない男児であるが、その象徴ともいえるものはタマタマがシワシワで元気なく萎んでいるところである。この歳でシワシワというのはどうにもいただけないものだ。
どうしてどうやってこのシワシワ男児がここを訪れたのかというと、ここにタマタマ様が降臨するという情報を入手したからであるが、どこからというとある大きな駅の南口改札近く、構内のトイレの個室である。女子便所こそがより正しい情報を得られるところではあるが、そこは女どもの下痢の音がピーパービルブュルうるさくてかなわないのであるが、その真なるメロディーの中にこそ、メッセージが隠されているのである。美しい音楽にこそ、偉大なる魂に通じるものである。これは真実であることを明記する。さて、ここでパンパンタマタマの持ち主であるならば、意気揚々と女子便所の個室の扉をカッコよく、勇ましく開け、解放したままでタマタマを広げてみせるものであるが、このシワシワ男児にはその元気が無い。女に囲まれ、そのチンポをおったてることも無くスゴスゴと仕方なしに男子便所の個室に逃げ込んだのである。
ここら辺の経緯はつまらないので割愛。
さて、この神社には名物がある。シミーズ一枚のババァがやってきて、ハンドベルをカランチリンと鳴らすといもの。そいつの前でチンポをブルンと靡かせるとどうなるのかといえば、ベルを振り回し歯をむき出して咥えようと飛びついてくる。
そこをタイミングよくチンポで打ち返す。
「いい音するから~」
怒鳴りつけて、追い打ちで頬にチンポの二撃目をカマス。これが正しいやり方。
ここでもシワシワ男児は上手くやれない。チンポは空振りとなり、飛び込んだシワシワタマタマが歯に当たってごっつんこ、流血騒ぎとなる。恥ずかしいー。
そんな話は、どーでもいいので次の段階へ。
肝心のタマタマ様の話。これが大事。
タマタマ様の出現は突然なのだ。
賽銭箱に立つ凛々しいお姿。もうその立ち姿において、タマタマの比較のしようのない張りと照り。
「あぁ、もぅ、拝ませてください。出来れば、触れることをお許しください」
「お前は何だ?
「私のタマタマはとてもシワシワです。このシワシワのせいで 僕は学校の成績が悪く、運動もできなくて、女性からは馬鹿にされっぱなしです」
「シワシワ野郎には興味ない。お前の誠意は?」
「僕に出来ることなど何もありません」
そう言って無理やりにタマタマを触ろうとすると、何の邪魔もなく握ることが出来た。
「なんだ、タマタマといってもこんなものか」
その瞬間、パンと社の戸が開く。
「おめでとう。あなたはタマタマを開眼いたしました。おめでとう」
社のどんよりとした闇の奥から、大音声。
「お前にタマタマを授けよう」
タマタマ様は大仰にタマタマを取り外し、シワシワ男児に渡すも、
「いらんは、こんなもん!」
何なのこの茶番は、ってこと。良いこと無いので、今日はこのまま帰ります。